
授業動画
私たちにとって、2020年はたいへんな年でした。学校にとっても同じで、学生は登校を制約され、教員は、ほとんど無理矢理に遠隔授業を強いられました。当時の勤務先(松江高専)も5月から遠隔授業となりましたが、それが決まったのは4月に入ってから。ZOOMもTeamsも使ったことのない状態で、あわてて準備を始めました。
同年と翌年には学校での著作権利用がフリーとされ、(他の人の著作物である)教科書を用いた授業配信が許されることになったのですが、私は自著を用いて授業をしていました。ですから、著作権は私にあります。出版社の許諾を得れば公開可能な状態でした。
授業時間に合わせてカメラの前で授業をするよりも、動画をアップして「オンデマンド」にしておけば、学生さんもいつでも勉強できます。それに、まだまだCOVID-19の収束は見えない状況でした。「いま動画を用意しておけば、来年から授業をやらなくてすむ」はずです(笑)
とはいえ、SNSはおろか、YouTubeなんて投稿したことはありません。黒板の前で授業ならできましたが、ビデオに向かうのは未経験。何より困ったのは、黒板の広さです。授業では、黒板全面に思いつくまま落書きを重ねていた(ノートが取りにくいと文句を言われていた)のですが、パソコンの画面に黒板全体を映していたのでは文字が読みにくい。おそらく半数の学生さんはスマホで見るでしょう。それでは見えない。黒板を使わないように工夫しての準備、あるいはA4用紙に書きながらの撮影を始めました。
それに、編集ソフトの使い方もわかっていません。しゃべり間違えては撮り直し。ひとりで作業していますから、マイクのスイッチが入っていなくてもわかりません。うまくできた!と思って再生すると口パク動画・・・。失敗の連続でした。