from VOC (Voice of the Customer) to VOFC (Voice of the Future Customer)
- Toshiyuki Beppu
- 6月27日
- 読了時間: 2分
更新日:6月28日

あるメーカー様にて、QFD(品質機能展開)を用いた新製品企画をお手伝いさせていただいています。
QFDとは、お客様の声(Voice of the Customer: VOC)を起点として、その要望を製品の技術的な性質(品質特性)へと展開する手法です。カスタマの要求を漏れなく捉え、それを的確に反映してお客様の価値を目指します。

ところが、VOCそのものが不十分あるいは浅いものであっては、どれほど精緻に展開しても、お客様の価値にたどり着くことはできません。このようにVOCは、単なる出発点ではなく製品企画そのものの品質を左右する重要な要素となっています。
その重要なVOCなのですが、集め方はそれぞれのメーカーのノウハウとされており、汎用的・定式的な方法が提案されているわけではありません。そのため、QFDを新規に始めようとしたときには、VOCの収集がボトルネックとなることがあります。
既存の製品があるなら、そこに寄せられた満足や不満の声をVOCとすることもできます。ただし、それはあくまで「既存ユーザの声」です。現在の製品を使われているユーザの期待や要望です。もしも未来のユーザが、既存ユーザとは異なるニーズや希望を抱いていたとしても、既存のVOCだけではそれを知ることはできません。
つまり、既存ユーザの声は、現行製品の改良には役立ちますが、新たな製品へとつなげるには不十分です。
新たな製品のためには、未来のユーザ、すなわちこれから顧客となり得る人々の声(Voice of the Future Customer: VOFC)が必要となります。とくに、新たな市場の開拓や新規ユーザの獲得を目指すときには、VOFCを製品企画の出発点とすることが重要です。
では、どうすればVOFCを収集できるのか。その有力な手法のひとつが「新・商品企画七つ道具(Neo P7)」と考えます。未来のユーザを探り、潜在ニーズを浮かび上がらせることが、新たな製品企画には欠かせません。Neo P7は、個人の思いつきや経験に頼るのではなく、VOFCから抽出した仮説を用いて、システマティックに商品コンセプトの明確化、企画立案の論理性を高める技法です。

Neo P7を用いて立案する商品コンセプト(仮説)は、VOFCとして、QFDにおける要求品質に組み込みます。VOFCからの展開によって、未来のクライアントへの価値を目指します。

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